2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧

風に揺れるコスモス

地元のコスモス祭りはものすごい強風のなか行われました。テントも看板も自転車も今にも倒れそうな強い風でした。息子の入っている園が太鼓で参加、その保護者がソーラン節で参加した日でした。子供たちの手作りの4m近くはあろうこいのぼりを2尾ステージ…

今日の短編(35) レイモンド・カーヴァー「ジェリーとモリーとサム」

なんにでも応用可能な感嘆符。「酒! 泪! 男と女!」ってこれじゃ河島英五ですね。絶望や希望やなんやかやがごっちゃになっていて当人にも良くわかっていない感じが伝わってくる。情けないながらもそこはかとないユーモアも感じらるダメ父さんがどこか愛し…

今日の短編(34) 吉本ばなな「窓の外」

荒々しい、南米のむき出しの生命みたいなものを、文章の向こう側に感じた。泥色の濁流がしぶきを上げている写真が挿入されているのが大きいのかもしれない。イグアスの滝といえば、何年か前村上龍の「パラグアイのオムライス」を読んだ。あれも印象深い短編…

不倫と南米 世界の旅 (3)

不倫と南米―世界の旅〈3〉 (幻冬舎文庫)作者: 吉本ばなな出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2003/08メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 10回この商品を含むブログ (32件) を見る住み慣れた場所を離れて、非日常の世界に立つことで見えてくるものがある。それは…

集中力

集中力 (角川oneテーマ21 (C-3))作者: 谷川浩司出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2000/12/01メディア: 新書購入: 4人 クリック: 64回この商品を含むブログ (80件) を見る量より質、といい、質より量、とも言う。「千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を練とす」…

あなたの話はなぜ「通じない」のか

時間軸(過去-現在-未来)、空間軸(身の回り-日本社会-世界)、人の軸(自分、人間)の3つの軸で問いを掘り下げていく。 「これはこうだ」と結論で通じ合えなくても、「これはどうなんだろう?」なら通じ合える。魅力ある「問い」があれば相手を巻き込める…

教会の中で

7月に合った弟の結婚式で。デジカメにOlympus PEN EE2 に針穴tigreの3台もカメラを持って、礼服のポケットいっぱいにして撮影しておりました。結婚式が始まる少し前の写真撮影と式のリハーサル中の風景。プロのカメラマンも入っていて、シャッター切る回数が…

今日の短編(33) 吉本ばなな「日時計」

吉本ばなな「日時計」 人生はたくさんの事件の連続で、愛する人になにが起ころうとまわりはじいっと見ているしかない。 不倫と南米―世界の旅〈3〉 (幻冬舎文庫)作者: 吉本ばなな出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2003/08メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 10…

揺れる森タワー

六本木ヒルズ第三弾、夜景でもないし、蜘蛛のようなママンも写ってないし、こうやって見るといわゆる普通の高層ビルね、というアングル。森ビル出てすぐのベンチに座り、膝の間にtigreをびしっと挟んで撮影したのに、高層部分がぶれているのは風で僅かに揺れ…

運動会

息子の運動会。朝から良い天気に恵まれました。7時半には息子と二人園について準備の手伝い。園児の集合は8時ですが、早く行ける親は準備の手伝いです。看板を門につけたり、机・椅子・ゴザ・マット・跳び箱・長机などの用具を園舎から出したり、朝露にぬれ…

今日の短編(32) レイモンド・カーヴァー「他人の身になってみること」

学生時代、友人の下宿に1週間も2週間も泊り込んでいたことを思い出した。帰省した友人宅に居ついて、新聞だったか水道料金だか、払ったこともあったなあ。皆で飲んで大騒ぎして、どこだかから持ってきた薬用ドリンクの大きな看板が玄関前に飾ってあった。…

今日の短編(31) 吉本ばなな「ハチハニー」

ハチミツレモンではなくハチハニー。傷を癒すために、悲しみを薄めるための母の愛。 吉本ばなな「ハチハニー」 時間をかせぐのだ。それしかできないのだから。野生動物がじっと傷をなめて、熱をもった体中を癒すために暗がりでただ待っているように、精神が…

今日の短編(30) 吉本ばなな「プラタナス」

それぞれが思い浮かべる「あの」風景。 吉本ばなな「プラタナス」 もはやあのホテルの前の道は、私にとってこの街のもっとも大きな思い出の風景だった。風が吹き、青空の色を背景に、あるいは真っ暗い夜の漆黒の闇を彩って、だだっ広いまっすぐな道一面に手…

夜の森タワー

なぜか六本木ヒルズに来るとどうしてもこのアングルで撮りたくなる第二弾。ビルの真ん中に青いグラデーションの道が上へ下へと動いているのですが、長時間露光で満遍なく青くなりました。左にフレアがあるのは手前に水銀灯があったのだと思います。いやはや…

使える読書

使える読書 (朝日新書)作者: 齋藤孝出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2006/10メディア: 新書 クリック: 9回この商品を含むブログ (55件) を見るゲド戦記では本当の名前を隠す。安倍晴明は式神に言葉で形を与え、京極堂は表層に現れた事件に妖怪という形を…

今日の短編(29) 吉本ばなな「小さな闇」

「当たり前の、ごく普通の、どこにでもいるような」と思って安心してしまうことが多いけれども、本当は普通なんていうのはない。誰もが、年齢の分だけ時間をコツコツと重ねた結果、今、そこにいる。良かったことも嫌だったことも楽しかったことも悲しかった…

ゲーテとの対話(上)

ゲーテとの対話 上 (岩波文庫 赤 409-1)作者: エッカーマン,山下肇出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1968/11/16メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 46回この商品を含むブログ (62件) を見るものすごい大鉱脈を見つけてしまった。大当たり。これを読まずにい…

ママンと森タワー

9月も終わり頃だったでしょうか。好んで行くことはきっとないだろうと思っていた六本木ヒルズにtigreをお供に行く機会がありました。おぉこれがママンか、と良く見る構図でハイチーズ。大丈夫だろうと思っていたのですが、僕の頭が入っちゃっていました。 ti…

頼むから静かにしてくれ 

頼むから静かにしてくれ〈1〉 (村上春樹翻訳ライブラリー)作者: レイモンドカーヴァー,Raymond Carver,村上春樹出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2006/01メディア: 新書購入: 4人 クリック: 61回この商品を含むブログ (89件) を見る中央公論新社の村上…

今日の短編(28) レイモンド・カーヴァー「学生の妻」

眠りに取り残されてしまった夜は長い。太陽は同じように沈み、そして昇ってくるだけなのに、「やっと待ち望んでいた朝が来た」「もう朝になってしまった」正反対の感情がその時々に起こる不思議さ。彼らは社会に参加できているような、できていないような、…

今日の短編(27) 吉本ばなな「最後の日」

なにか大きなものというか、存在というか、仕組みというか、人間の考える善悪などは超越したものがこの世の中にはあって、その冷徹な目で我々の日常が観察されているような。ある一瞬に感じた思いや気持ちを十分にあらわすことは難しいし、足りていないなと…

今日の短編(26) レイモンド・カーヴァー「サン・フランシスコで何をするの?」

「自由っていったいなんだい。どうすりゃ自由になるかい。」尾崎豊がいつかそう歌っていた。そりゃ一日中なにもせずぶらぶらしているのもいいけれども、そういうのは3日もすれば飽きる。肉体的にも精神的にもどこか淀んでいくような、腐ってくるような気がし…

ソーラン節再び

先日のお祭りで初披露したソーラン節、今度は園の運動会で披露するとのことで、園に集合。今日は保育はないので親だけ15人くらい、先生が3人ほど集まって特訓。子供たちは家で留守番。前回は2番までを覚えていて通せればまぁオーケーくらいだったのが、2度目…

今日の短編(24) レイモンド・カーヴァー「収集」

この奇妙な読後感は以前にも感じたことがある。いつか、どこかで読んだことがある。誰が、何を収集しているのだろう。原題は Collectors 複数形だ。所属する場所をなくした人間は所在無げで頼りない。 レイモンド・カーヴァー「収集」 (Collectors by Raymon…

なるほどの対話

なるほどの対話 (新潮文庫)作者: 河合隼雄,吉本ばなな出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2005/08/28メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 14回この商品を含むブログ (62件) を見る一読後、吉本ばななさんに対しての認識を改めなくてはいけないと反省した。こんな…

今日の短編(25) 吉本ばなな「電話」

心を大きく動かされた出来事というのは、その場所や空間や行動の記憶と一緒に記憶に刻まれている。 具体的に自分の人生でこんなことがあったと思い出せるわけではないのだけれど、そうなんだよなぁと思う。そんなふうにじんわり沁みてくる。この人の文章の特…

今日の短編(23) レイモンド・カーヴァー「ナイト・スクール」

ただ酒にありつけてラッキー。なんとなく話はあわせられたし、時間もつぶせた。後ろを向いた人生はつらそう。 レイモンド・カーヴァー「ナイト・スクール」 (Night School by Raymond Carver) 悪夢を見る男がいる。彼はその悪夢の中で、自分が夢を見ていると…

この数日間

10月7日(土曜) 快晴。ご近所で不幸があり、1日諸々の手伝い。前夜の中秋の名月は大雨で見られなかったが、この日は見事な月が通夜の帰り道を照らしていた。 10月8日(日曜) 朝から強風。午前中は隣の市のお祭りへ。息子の通う園の園児たちの太鼓の応援と、保…

今日の短編(22) レイモンド・カーヴァー「アラスカに何があるというのか?」

まるでかみ合っていないことにも気が付かず、上機嫌の上澄みだけが共有される。かといえば一瞬だけ成立していたり。こんなシチュエーションでなくてもありそうで怖い。 レイモンド・カーヴァー「アラスカに何があるというのか?」 (What's In Alaska ? by Ra…

今日の短編(21) レイモンド・カーヴァー「60エーカー」

いつまでも変わらない、変えられない習慣。背負ってきたものを降ろすときの決断はいつでも不安とためらいと共にある。 レイモンド・カーヴァー「60エーカー」 (Sixty Acres by Raymond Carver) 行かずに済ませることができたらな、ともう一度考えながらトラ…