モーパッサン「『ピエールとジャン』序文 ―「小説について」」

モーパッサン「『ピエールとジャン』序文 ―「小説について」」 高校生のための文章読本より

「もし何らかの独創性をもっているならば、なによりもまずそれを引きだすべきである。もしも独創性をもたないならば、なんとかしてそれを一つ手に入れなければならない」

―才能とは、ながい期間にわたっての忍耐にほかならない。―大事なことは、表現したいと思うものは何でも、じっくりと、十分な時間をはらって見つめ、まだだれからも見られず、言われもしなかった一面を、そこから見つけだすことである。
(中略)
燃えている炎や、野原のなかの一本の木を描くにしても、その炎や木が、我々の眼には、もはや他のいかなる炎、いかなる木とも似ても似つかないものに見えてくるまで、じっとその前に立っていようではないか。

高校生のための文章読本

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