今日の短編(22) レイモンド・カーヴァー「アラスカに何があるというのか?」

まるでかみ合っていないことにも気が付かず、上機嫌の上澄みだけが共有される。かといえば一瞬だけ成立していたり。こんなシチュエーションでなくてもありそうで怖い。
レイモンド・カーヴァー「アラスカに何があるというのか?」 (What's In Alaska ? by Raymond Carver)

「猫は興奮しているんだ」とジャックは言った。
「ぞっとしちゃう」とメアリは言った。
「それが自然の本能なんだ」とジャックは言った。
「目を見てよ」とメアリが言った。「この猫が私たちを見る目を見てよ。うん、たしかにもう興奮しちゃっている」

頼むから静かにしてくれ〈1〉 (村上春樹翻訳ライブラリー)

頼むから静かにしてくれ〈1〉 (村上春樹翻訳ライブラリー)

所収。