139 走ること書くこと

村上 走るのに今日は暑すぎるとか、寒すぎるとか思うときもあります。あるいは、天気が良くないとか。でも、それでも僕は走るようにしています。少しでもいいから走ろうと。もし今日走らなかったら、その翌日も走らないだろうと思うのです。自らに必要以上の負荷をかけることは、人間にそもそも具わっている性質ではありませんから、肉体に学ばせた習慣は、すぐに解かれてしまうものです。それは書くことにも当てはまります。僕は毎日規則正しく書くことで、精神を鈍らせないようにしているのです。そうすると少しずつ、小説を書く際の達成基準をあげていくことができます。ちょうど規則的に走ることで、筋肉が少しずつ強化されていくように。

「継続は力」は頭では理解している。理解と行動の間には越えねばならぬ大きな谷がある。谷をできるだけ小さく狭くするために繰り返す物事は最初はもの凄く容易なものにするのがいい。段々にハードルをあげていって継続して繰り返していく内に変化が目に見える(実感できる)形になっていく。


「大丈夫、できる」と思えるにはそれだけの積み重ねをしてこなくては。この数年、座り仕事の頭だけで考える負荷の方が多い。おかげでこの件は大体わかた、これは見当がつくと自己完結できるものが増えてきたが、結果慢性的な運動不足に陥っている。


村上春樹が語る、走ることと書くことが密接に結びついているイメージは今の自分に足りないものとして、とてもしっくりと納得できるものだ。頭ばかりで考えていたり、ネットで眺めて行ったつもりやったつもりになっていてはいけない。


慌ただしい毎日の中で自分の体を動かして汗をかく時間を作らねば。もっと歩こう。部活でももっと体を動かそう。そしてできたら少し走ろう。そしてたくさん書こう。