054 役割のシフトチェンジ「仕事道楽」鈴木敏夫から その3

鈴木敏夫さんの「仕事道楽」を読んで思ったことのさらに続き。最初ははチームの話、次はやりたいこととやれることの話、3回目の今回は役割の話。今回も思ったことの箇条書き。

ぼくがやることは、みんなから聞いたことのなかからどれをやるか選択することだけで、「自分は教えてもらう仕事なんだ」と思っていた。いわば交通整理をずっとやってきたんです。やるときはもちろん、アイディアを出した人間に担当させる。そうするとやはり、がんばるからおもしろいものになる。

「一番偉い人があんなに動き回って何にでも首を突っ込んでいたら、周りは振り回されるし置いてけぼりをくらうしですごく困るだろう」ガンダムを見てヤマトを見て育った後、スタートレックを見てとても不思議にというか違和感を感じたこと。スタートレックは好きだけどこういう人と一緒にいるのはイヤだなぁと子供心に思った。


この人がいるとなんだか盛り上がる。ぐんぐん進む。見通しが良くなる。風通しが良くなる。安心できる。冷静になれる。いろいろな人がいる。それぞれがその人にしかない雰囲気を持って参加している。相互作用でどう変化するかわからないところも面白い。車に例えてエンジン役、ハンドル役、アクセル役、ブレーキ役と言ったりもする。車の外でフラッグ振り回して煽る人もいる。場面場面によって変わるけれどもその人に向いている役割ってあると思う。


協調しようと言う意志はなく各自が各自の判断でスタンドプレーを繰り返し、結果良い方向にシンクロして物事が動く。そんなアニメもあった。実はスタンドプレーの陰に期待と信頼とがあって、さらにそれを支える縁の下の力持ちも多数いることが条件だろうと思いつつ見ていた。

ある一つの役割に甘んじて歯車であれ駒であれということではもちろんない。皆、自然にバランス感覚で役割も変化させている。


こういう考え方っていいよな。こういう役割っていいよなぁと思えるモデルがあるならばその人にぐぐっと近づいて、その人が乗り移ったらと思うぐらいに影響を受けるのも面白いと思う。


鈴木敏夫さんの言葉の裏に感じられるフラットな環境と信頼を得るにはどうしたらいいだろうか。ずとんと任せてもらえるにはどうしたらいいのだろうか考える。目の前の事ひとつひとつをコツコツ積み重ねていくしかないよねぇとしばし考える夜。