008 初めて『学び合い』の授業を見せていただきました。

『学び合い』の授業を一般の人に分かりやすく伝えるとするならば「学力向上も人間形成も全てはクラス作りが基本で、クラス作りができれば、全部うまく、簡単にできる。」という至極、当然で多くの教師が納得できる表現にまとめられます。では、この「クラス作り」をいつやればよいのでしょうか。「クラス作り」という言葉から、学級活動や特別活動の時間を思い浮かべられた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、学校教育の殆どの時間は「教科学習」の時間で占められているのですから、その時間にするのが最も有効であるといえます。
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今日は小学校の『学び合い』の授業を見せていただいてきました。以前から興味は持っていながら一歩が出ていませんでした。きっかけは上越教育大学の西川先生(id:jun24kawa)のこのツイート*1。『学び合い』の授業見てみたいとリプライしたことをきっかけに話が進み、makine45 さんをご紹介いただき、授業も見せていただけることになりました。


教室にお邪魔したのは1時間目が始まって数分したところ。算数、そろばんを使った計算。めあてが黒板に書かれたところでした。「5だまの合成、分解のあるたし算ひき算ができる」これを確認したと思ったら、すぐに生徒たちが動く動く。そろばんをを用意した後、一緒に勉強するペアや3人組を作ったら、教科書を見てそろばんを使って計算を進めていきます。「え、どうやるの」「わかんない」の声がいくつか上がるけれどもしばらくはそのまま。少しすると「どうやるの」「教えて」の声が上がってきて、生徒同士で教え合っている光景があちこちに発生。先生を頼るのではなくて自分たちで聞き合って教え合っている姿に驚きました。子供たちは自由に歩き回り、友達の所に来て教えたり、教えてもらったり。おしゃべりの声も聞こえてくるけれども手元を見ると、しっかり勉強は進んでいる。「いつも通りの自分のままで、自然に学習が進んでいる状態」と感じました。圧倒されている間に1時間目終了。


授業中と変わらぬ姿の休み時間。2時間目がすぐにスタート。国語「3年生のこと」「1年間のこと」「今の自分が考えていること」などのテーマで800文字の作文。数分の説明、座席移動でペアやグループ作り。と思っているともう書き出している子が。 こうだああだと話しながら升目を埋めていくグループもあり、誰とも席をつけず一心不乱に原稿用紙に向かう子もあり。2枚終わる子も数行どまりの子と進度もまちまち。先生は数度「時間は大事につかってね」と言葉をかけていました。そうそう、2時間目終わり近くに「先生、博物館の博はどう書くんですか」と質問された。辞書を引いていたが見つけられなかったみたい。辞書のページを開いてここだよ、と示しました。ずばりじゃなくてもっとヒントにしておけば良かった。


20分休みの間に makine45 さんにお話を伺えました。進度がまちまちですが、全員書き終えるのにどれくらいかかりますか?という質問には、「後1時間位でゆっくりな子も書き終えられる。書けた子の作品を参考にして、写すようなところがあってもまるっきり同じ作文にはならない」という答え。僕の勤務している高校や生徒の様子をお話しているうちに20分休みが終了に。


3時間目社会。市町村カルタを作る授業。少し大きなグループでの作業。読み札を考えながら取り札を描く。「先生、『ぬ』はどんなのありますか。『ふ』は?」聞いてくれる子が出てきました。嬉しい。ずばりじゃなくて、「ぬ」のつく有名な食べ物とか場所はない?くらいにとどめた。生徒たちは1時間目から自分たちの活動で勉強しっぱなしなのに疲れも見せず集中してカルタに取り組んでいました。


3時間見せていただいて一番感じたのが、子供たちが自然体で教室にいること。つまり子供同士の信頼関係ができていて、気構えずリラックスして自分を出せていること。それをお互いに受け入れ合っていることでした。昨日のエントリでこんな風にできたらいいなと思っているクラスの姿が目の前にあって、高校生の授業でも生徒同士のこの関係を作りたいぞと強く思いつつ学校を去りました。また是非見に来たいクラスでした。


西川先生、makine45 先生、とてもたくさんの刺激を受けて帰宅しました。どうもありがとうございました。