飯田に行かない夏は久しぶりだ

8月になると長野県飯田市に向かうのが恒例だった。
いいだ人形劇フェスタ|みる、演じる、ささえる。わたしがつくるトライアングルステージ!日本最大の人形劇の祭典(長野県飯田市)
飯田市内の公民館、小学校・保育園・幼稚園などの100以上の開場で全国から集まった200近く(数えたことはないけれど)の劇団がプロ・アマ問わず、人形劇の公演をする年に1度のお祭りだ。
2002年 へっぽこにんじゃ修行中
このお祭りのすごいところは、700円くらいのワッペンが公演チケット代わりになって(一部のプロの有料公演を除いて)ほぼすべての公演が見放題になるところ。だいたいどの公演も1時間程度だから、9時に見て,11時にみて13時に見て15時にみて17時に見て19時に見て21時から見てともう人形劇三昧の数日を過ごせる。実際は移動も食事もあるからこんなには見られないけれども。玉石混淆だけれども圧倒的な数の作品を浴びるように見られるというのは大変に幸せな環境だと思う。
2003年 うりこひめとあまんじゃく
人形劇を始めたのは大学に入ってから。今までまるでやったことのないことに挑戦したくて、ピアノ・アンサンブル、コーラス、人形劇の3つのサークルで結構悩んで決めた。新歓期はどこのサークルを見に行っても、夕飯を食べさせてくれたから、なんて素晴らしいんだと思った。(翌年からは食べさせる側にまわるわけで底にも苦労があったのだけれども)
2004 うりこひめとあまんじゃく
最終的には人形劇のサークルに決めた。可愛らしい先輩がたくさんいるように思えた、というのは冗談で複数の人数で一つの物を作り上げていくことがしたかったのが一つ、何かを表現したい、でも直接的に自分が表にでるのはちょっとまだ腰がひける感じがしたのが正直なところだった。
IMG_27152005 うりこひめとあまんじゃく


人形劇の公演なんていうのは首都圏でもそんなに多くやっていないもので、自分たち以外の劇団の作品を見る機会なんてほとんどなかった。先輩達から長野県では毎年すごい数の劇団が集まって、何日間も公演をするんだ、と聞かされて,いつか行ってみたいと思っていた。

IMG_93962006 なきべそおおかみ


初めて行ったのは大学4年生の夏だった。公民館に雑魚寝し、3日間で10以上の劇団の公演を見て回り、精巧な人形をまじまじとみつめ、プロの技に感嘆の声を上げ、本当に楽しい数日間だった。

それ以来、飯田で人形劇三昧の夏を過ごすのが定番となった。2001年からは見るだけではなくて、公演する側に回って,より多くの楽しみと喜びを味わえるようになった。我が家の子ども達も毎年参加していて、夏休みが近づくと、「今年も飯田だね」といって楽しみにしている。

いつも一緒に行って、一緒に公演している先輩は今年は夫婦で新作を作るらしい。「夫婦劇団かぁ」とつぶやいても横を見ても妻の反応は今一つ。今年は大きくなった子ども達と一緒に一作品作るかと思って痛けれど、それは来年までお預けとなった。

今年は色々たてこんでいて随分久しぶりに参加できないことになってしまったのだ。夏休みが近づいて祭りの季節がやってくるのをそわそわと待ついつものどきどきがどうも今年はない。さっき妻と話していて「飯田に行かない夏は8年ぶりだ、いつもの年だったら今ごろは云々」いうと、おかしそうな顔をして、「夕方同じような事を言っていたわよ」と笑う。どうやら上の娘が「いつもだったら今ごろもう飯田にいたんだよねぇ」とつぶやいたらしい。娘よ、お前も同じ気持ちだったか。今ごろじゃなくて飯田でのお祭りは来週ではあるんだけれどもお父さんは嬉しいよ。と寝顔につぶやく夜更け。

飯田での公演予定(僕は出ないけれども)

上演日 開演時刻 上演会場 会場番号 劇団名 作品名 定員 上演時間 対象 備考
8月9日 10:00 丸山公民館 B-11 劇団月見うどん さんちゃんとどんすけ2008(腹話術パネルシアター)/おとなりさん 200名 35分 幼以上

今年は僕は出られませんが、お近くの方は是非。「さんちゃんとどんすけ」はパネルシアターと腹話術をドッキングした演目で我が劇団の一番人気です。オススメですよ。