今日の短編(74) レイモンド・カーヴァー「ミスター・コーヒーとミスター修理屋」

その立場になってみてはじめて分かることもある。良いことも悪いこともいろいろ経験していくものだけれども、出来れば、悪いこととはあんまり出くわさずにおきたいものだな、と思う。

彼の人生が傾きだしたのは三十代の半ばのことだった。職を失い、酒びたりになった。機会があるごとに私は彼のことをからかってやったものだった。でも今はもう彼をからかったりはしない。
君が幸せになることを祈ろう、ミスター修理屋。

愛について語るときに我々の語ること (村上春樹翻訳ライブラリー)

愛について語るときに我々の語ること (村上春樹翻訳ライブラリー)

所収