今日の短編(59) トルーマン・カポーティ「ぼくにだって言いぶんがある」

大真面目なんだけれども、なんだかこっけい。馬鹿にしたい感じじゃなくて。
トルーマン・カポーティ「ぼくにだって言いぶんがある」(My Side of the Matter by Truman Capote)

みんながぼくのことをなんといっているか、そんなことはよくわかっている。ぼくの味方になってくれるか、それともあの連中の肩を持つか、それはきみが勝手に決めることだ。ただぼくには、ユーニスとオリヴィア・アンに対して言いぶんがある。あの連中とぼくとどっちが正しいか、それはまともな目玉を二つ持っている人間なら誰だってわかる筈だ。ぼくはただ本当は何が起きたのか、アメリカ合衆国市民に、知ってもらいたいだけだ。

敵はいまや固く団結している―-ブルーベル、オリヴィア・アン、ユーニス、マージ、それにアドミラルズ・ミル(人口三百四十二人)の残りの住人すべて。味方―ゼロ。これが、ぼくの命を狙う試みがなされた、八月十二日、日曜日の状況だった。

夜の樹 (新潮文庫)

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