いま、会いにゆきます

いま、会いにゆきます

いま、会いにゆきます

森の小経を澪と佑司が並んで歩き、ぼくは後ろから自転車を押しながらついていった。最初そわそわと落ち着かないそぶりを見せていた佑司は、やがて意を決して、その手を彼女に向けて差し伸べた。気付いた澪がすぐにその手を掴んだ。佑司がはっとして、澪の顔を見上げた。彼女は優しく微笑んで見せた。その途端、ついに堪えきれなくなった佑司が声をたてて泣き始めた。

このシーンになによりぐっと来ました。

妻が最近読んで、良かったよと言うので、流行の時期には読みたくなかったものの、もう時効(?)だろうと手にとりました。読みながら映像が浮かんでくる作品で、といっても浮かんでくる人物は竹内結子のみ。あとは景色を思い浮かべながらの読書でした。