懐かしい日本の唱歌・童謡

普段のコンサートでお世話になっているスタッフの方々を招いて年に一度行っている、新年会コンサート、寒鱈会に行ってきました。出演者のお1人のソプラノ歌手の方が歌った日本の童謡や唱歌がとてもすんなり心に入ってきてとても楽しめました。

「おぼろ月夜」 作詞 高野辰之・作曲 岡野貞一
菜の花ばたけに 入り日うすれ
見わたす山のは かすみ深し
春風そよ吹く 空を見れば
夕月かかりて においあわし
 
里わのほ影も 森の色も
田中の小道を たどる人も
かわずのなく音も 鐘の音も
さながらかすめる おぼろ月夜

中学校の授業で下のパートを歌いましたが、すぐにメロディーにつられてしまって苦労したのを覚えています。

「早春賦」吉丸一昌作詞・中田章作曲

春は名のみの風の寒さや
谷の鶯 歌は思えど
時にあらずと 声も立てず
時にあらずと 声も立てず

氷解け去り葦は角ぐむ
さては時ぞと 思うあやにく
今日もきのうも 雪の空
今日もきのうも 雪の空

春と聞かねば知らでありしを
聞けば急かるる 胸の思を
いかにせよとの この頃か
いかにせよとの この頃か

メロディーは知っていましたが、歌詞は読んで歌ったのは初めてでした。しみじみ詞を読むに良い歌だと思いました。「時にあらずと 声もたてず」とか
「いかにせよとの この頃か」なんて好きだなぁ。

「冬景色」作詞作曲不詳/文部省唱歌(五年)

さ霧(ぎり)消ゆる湊江(みなとえ)の
舟に白し、朝の霜。
ただ水鳥の声はして
いまだ覚(さ)めず、岸の家。

烏(からす)啼(な)きて木に高く、
人は畑(はた)に麦を踏む。
げに小春日(こはるび)ののどけしや。
かえり咲(ざき)の花も見ゆ。

嵐(あらし)吹きて雲は落ち、
時雨(しぐれ)降りて日は暮れぬ。
若(も)し燈火(ともしび)の漏(も)れ来ずば、
それと分かじ、野辺(のべ)の里。

これもメロディーは知っていましたが、歌詞は初めて読んだように思います。これも素敵な詞だなぁ。