035 歩いた方が調子が良い

自転車がパンクして以来、最寄り駅から学校までの約2キロを毎日歩いている。最初の1日2日は面倒だなという気持ちが先行していた。電車を降りてすぐは体も冷えて歩き出しも背を丸め、とぼとぼ歩いている。5分10分するうちに背中が伸び体も温まってきて歩幅がだんだん広がっていく。15分くらい歩くと体中が熱を発しだして太股やふくらはぎ、足や指の先まで毛細血管が広がっているような感覚になる。


片道27分くらい歩くのだが学校の門をくぐる頃には気持ちも戦闘態勢になって「今日もがんばろう」という気持ちになっているのだからおもしろい。パンクも直しにいかなくては思うのだが、歩いている方が調子が良いので後回しになっていてまだ修理には行けていない。今日も往復して元気になった。


ゲンと散歩に出かけていた頃もこのくらいの距離と時間を歩いた。この道を彼と歩いたらどこで立ち止まりたがるだろうか。行き合う犬たちとは挨拶、それとも吠えてしまうどちらだろうか。かつての散歩コース子供たちと自転車で走る時にゲンのことはあまり思い出さない。が、日常のふとした瞬間に「犬が飼いたいな」とふとこぼす。