018 部活動の土曜

朝一番の体育館の気温は約2度。昨夜の練習後暗幕も開けなかったので戸を開くと真っ暗だ。一晩締め切った真っ暗な体育館に入る時に、冷えきった空気の固まりの中に分け行っていく感触。寒い寒いと入ってきた生徒たちも毎日のルーチンの準備運動を進めていくうちに身体が温まってくるようでアップが終わる30分後には熱いと言いだす。


冬の部活動はこの身体が温まった状態をいかにキープするかが大きな課題だ。ーーー最近は見る専門で身体を動かしていない僕にとっても大きな課題ではあるのだけれどそれはまた別の話。ーーー 練習の時には順序を追って身体を温めていく。基礎的な動きから実戦的な物へ、最後には毎回ゲームで終わる。アップのあとは暖まって良く動いた身体が休憩を挟んでいくうちに動かなくなっていく。動き続ける練習の中でも維持するのが難しいのに試合でいきなり動ける状態を用意するのはとても難しい。


経験のある競技でもなくトレーニングの知識があるのでもなし。素人同然の僕ができるアドバイスは一つ。「一つ一つの意味を考えて丁寧に時間を使う」ことのみ。50分の授業を意味のある物にするかぼんやり何となく過ごしてしまうのと違いはと話をする時の同じことしか言えない。あとはじっと観察して何がその生徒の良いところなのか、どこが不足しているところなのか。どうしたら良いところを伸ばしそうでないところをカバーできるのか考えること。


直接呼んで話したり、友人を経由させてみたり。はたまた上級生から言わせてみたり。生徒たちの方が知識も経験も持っているのだから生徒たちの主体性を信じたいし引き出したい。自分たちで良く考えて練習を考え、足りない物を補い合って教え合いそして強くなれたらこんなにいいことはないだろうと思っている。


部活動の指導経験の長い先生方とは考え方が違うのかもしれない。でも生徒と同じように競技ができなければいけない、技術指導ができなくてはいけないと思っていた頃と比べると、僕自身が部活動に向かう姿勢に大きな変化があった。生徒たちがお互いに関わり合って関係を作り上げて学び合い、成長し、強くなっていくためにできることをしようと思うようになって、そう思って部活動に向かうようになった時から俄然部活が面白くなったのだ。


練習が終わって気温を見ると約7度。4時間で約5度上がった。