006 ライフログのすすめ 人生の「すべて」をデジタルに記録する! を読んでいます

早川新書juiceの今月の新刊。少し前から気になっていましたが、twitterで発売を知りました。ゴードン・ベルとジム・ゲメルの共作。原題はTOTAL RECALL、本文の中では完全記憶能力と翻訳されています。自分の見たもの、聞いたもの、読んだものなどの生活に関することをすべて記録しようという取り組みを続けてきた作者たちの記録。様々なセンサーを利用して、人が近づいてきた、遠ざかった、移動したなどの変化でシャッターを切り続けるカメラがちょっとうらやましい。

僕らが一番簡単にこのライフログを体験できるとしたらiPhoneとevernoteの組み合わせかもしれません。一枚の写真とちょっとしたコメントがどれだけ自分の記憶を呼び覚ますか体験した人はたくさんいるでしょう。写真だけでもそうなのだから、メタデータとして、位置情報、撮影情報、はたまた動画や音声などが別途加わったらどれだけ豊かな記憶の再現ができることでしょう。まだ1部を読み終えただけですが、ものすごくわくわくしながら読んでいます。

というのも、実体験としていろんなことをデジタルデータで記録することの楽しさ、便利さを最近になって感じはじめていたからです。この1年近くこのブログの更新頻度を下げて、自分のためだけにプライベートのブログやevernoteやflickrに記録をし続けてきました。そのときに意識したことは2つ。1つ目は場所や人の名前などの固有名詞をできるだけ詳細に書くこと。2つ目は文章だけでも写真だけでもなくその両方を記録することです。自分しか読まないという安心感からかリラックスして大量の記録を残すことができました。振り返ってそのときの記録を眺めていくと、そうだこんなことを思っていた、こんなこともあったと呼び覚まされる記憶のなんと多いことでしょう。

そんなわけで続きを読むのが楽しみです。
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2010/01/23追記

早川書房ノンフィクション編集部の部ログでこの本の紹介をしていました。

で、そのゴードンじいちゃん(おいおい)、最近は自分の生活のすべてをデジタル化することにご執心で、何をどうやって記録し、記憶し、検索するか、ということをずっと研究していらっしゃる。首からカメラとICレコーダーを下げ、ありとあらゆる書類は全部スキャン。血圧や体重などの健康データも全部記録。とにかくラディカルになんでもデジタル化しちゃうわけ。ブログのように自主編集するのではなく、とにかく記録する。自分はブロガーじゃなくてライフロガーだ、と言っている。かっこよすぎ。

ゴードンじいちゃんが目指すものは「完全記憶能力(トータルリコール)」。すぐに「あれ」を思い出すのみならず、ゆくゆくは健康データから病気を予知したり、ヴァーチャルな自分のアバターが、自分の膨大な「記憶」を使って他人と対話したりといった夢まで考えている。そのためには、「今から」データを残さなきゃいけないわけだ。

ちなみに、これは12月刊のjuiceで、グーグルの元CIOが書いた『グーグル時代の情報整理術』と比べて読むと非常に興味深い。というか、一緒に書けば良かったのに、と思う。かたやハードの設計者を経ていまやインフラといってよいマイクロソフトの巨人、かたや今をときめく情報企業グーグルの元最高情報責任者。両社の根底の思想の違いがはっきりとわかる。ゴードンじいちゃんは元のデータを「つくる」人、メリル兄さんはデータを「つかう」人である。
ぜひ、この二つ、併せて読んでください!そして同じ組み合わせを何組か買ってご近所・ご家族に配ってください!

「グーグル時代の情報整理術」買ってはあるので次に読みたいと思います。