「私塾のすすめ」から 「私のロールモデル」あるいは「あこがれる人物」を考える。

梅田望夫さんと齋藤孝さんの共著「私塾のすすめ」を読んでいて、自分だったら誰だろうと、最初に考え込んでしまったのが24ページのこの箇所。

齋藤 自分が求めるスタイルの傾向を自ら知るために、学生には、自分が好きなスタイルの「あこがれる人物」を三人上げてもらうことにしています。

僕のこれまでの34年間の人生で、ものの見方、考え方に強く影響を受けた(ている)な人は誰だろうと列挙してみて、最初に思いついたのが次の人たちでした。3人にはとても絞れないと感じています。

今、高校で国語を教えていて、実際にこんな風に、というロールモデルになっている人たち、という点で考えると、次の方々かもしれません。

2003年に教員になったときに、ものすごく考えたのが、どうしたら生徒たちが意欲を持って取り組んでくれ、なおかつ彼等に力がつくような授業が作れるだろうか、ということでした。

教員になろうと思ったときに、まずやろうと思ったのが、森博嗣さんが大学の授業で行っていたという生徒たちとのQA。森博嗣さんは、テストやレポートも課さず、授業中に提出する質問で評価をつけるというのを読み、できるところだけ真似しようと質問や感想、意見、要望提出させ、次の時間に回答するという形を今も模倣しています。

次にこれは、と手に取ったのが、「3色ボールペン情報活用術」や「声に出して読みたい日本語」に始まる齋藤孝さんの著作の数々。偏愛マップを作るのを授業開きにしたり、音読をたくさん取り入れて、身体を使った授業にすること、呼吸や姿勢も含めた身体全体で、授業に取り組む姿勢を作ることなどは齋藤さんの著作からの影響が大きいです。

大村はまさんは、教員に、それも国語の教員になったのにこの年になるまで読まずにいたなんて、なんてものを知らなかったのだろうと恥ずかしくなった国語教育の巨人。最近、ちくま新書やちくま文庫で出ている著作を読んで、「こんなところにすごい先生がいた。少しでもその真似をしてみよう。」と思うアイデアや実践が山のように出てきています。

村上春樹さんの仕事に対する姿勢。走ることと、書くことが密接に関連した生き方。「走ることについて語るときに僕の語ること」はこれまであまりきちんと語られてはこなかった。「走ること」が村上三にもたらしてたものについて書かれたもので、今までになく素顔に近い村上さんが登場しているような気がしています。

継続すること――リズムを断ち切らないこと。長期的な作業にとってはそれが重要だ。いったんリズムが設定されてしまえば、あとはなんとでもなる。しかし弾み車が一定の速度で確実に回り始めるまでは、継続についてどんなに気をつかっても気をつかいすぎることはない。p16

私塾のすすめ ─ここから創造が生まれる (ちくま新書)

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新編 教えるということ (ちくま学芸文庫)

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走ることについて語るときに僕の語ること

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臨機応答・変問自在 ―森助教授VS理系大学生 (集英社新書)

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