4TEEN

小学校6年生のとき、むちゃくちゃ仲の良かった仲間がいた。5人組だった。昼休みには必ずブランコでタイヤ当てや、ドロケイをし、毎日のように星の観察と称しては8時半過ぎから夜の公団住宅の公園にあつまって、なんてことないことを語り合った。卒業後すぐ、一人が引っ越した。残りの連中とも中学校に入る前と、いつしか距離ができ、ばらばらになった。それぞれ新しい友達を見つけグループを作っていった。

高校時代に自転車で千葉県を一周した奴がいた。ロードランナーの後ろにテントや食料や着替えやなんやかやをくくりつけて4,5人で1週間くらいかけて走りまくった。パンク続きで、道具も切れ、山道を何キロも自転車を押して歩いたり、公園にテントを立てて泊まったり、むちゃくちゃ楽しかった。そうだ。僕はそこにはいなかった。

大学に入ってからのこと。ある晴れた土曜日の昼下がり。サークルもなくてあとは家に帰るだけ、というある日。ふと、僕も自転車で千葉の実家まで帰ってみようと思った。何キロあるのかは知らなかった。夜まであれば帰れるだろうと思った。自転車で越谷から千葉まで帰ったという先輩の話が頭のどこかにあった。千葉県一周した奴のこともあった。ママチャリで片道5時間くらいかかっただろうか。地図も持たず、線路だけを頼りに、のんびりと走った。電車だと一瞬で通り過ぎる景色のなかにこんなにもたくさんの生活があったのかと思いながら、ただペダルを踏んだ。楽しかった。一人じゃなかったらもっと楽しかっただろうなと思った。

「ぼくが怖いのは、変わることだ。みんなが変わってしまって、今日ここにこうして四人でいるときの気もちを、いつか忘れてしまうことなんだ。ぼくたちはみんな年を取り、大人になっていくだろう。世のなかにでて、あれこれねじ曲げられて、こうしていることをバカにするときがくるかもしれない。あれは中学生の遊びだった。なにも知らないガキだった。でもそんなときこそ、今の気もちを思い出そう。変わっていいことがあれば、変わらないほうがいいことだってある」

4TEEN (新潮文庫)

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