「先生、なぜそんなに忙しい?」のは本当か。

朝日新聞、3日(日)の記事から。「先生へ ヘトヘト どう解消」というタイトルで、「11時間近く働き、休憩8分という小見出しも着いている。asahi.comには記事掲載されておりませんでした。小中学校の先生の一日の労働時間を仕事内容で分類しています。文部科学省が勤務実態調査から推計した、五か月分の平均値。だそうです。数字をざっくり下に抜き出します。

1日の勤務時間 10時間45分 「朝日新聞 6月3日 朝刊3面より」

  • 子どもと直接的にかかわる業務 6時間44分
    • 授業 3時間34分
    • 生徒指導 1時間23分
    • 部活動・クラブ活動 26分
    • そのほか(学校行事など) 1時間21分
  • 子どもと間接的にかかわる仕事 2時間10分
    • 授業の準備 1時間1分
    • 成績つけ 47分
    • 学園・学級経営 22分
  • 学校運営にかかわる業務 1時間39分
    • 会議 36分
    • 事務・報告書作成 17分
    • 研修 14分
    • そのほか(学校経営など) 32分
  • その他(保護者・PTAなどへの対応) 12分
      • 休憩・休息 8分
      • 持ち帰り仕事 29分

合計すると、10時間45分になるそうです。休憩8分間というのはこの一覧では見つけることが出来ませんでした。この平均時間を大幅に超えて働いていらっしゃる知り合いの小中学校の先生方も何人もいらっしゃいます。平均なので、実態にそぐわないところもあるのでしょう。僕自身は今回の調査対象である、小中学校の教員ではありませんし、単純に勤務時間の長い短いで仕事が評価されるものではないとは思いますが、現役の高等学校の教員の仕事はどうなのか、自分の仕事を振り返ってみました。授業時数にばらつきがありますから、週単位で出してみました。

とある高校教師の1週間の勤務時間 54時間30分

  • 授業 15時間(50分授業x18)
    • 教科の授業16コマ。総合的な学習の時間1コマ、補習1コマ。
  • 授業準備 26時間
    • 質問紙入力 7時間  (30分×14コマ)
    • 質問紙回答 14時間 (60分x14コマ)
    • 教材研究  5時間 (60分x5)
  • 部活動・クラブ活動 5時間(部活と委員会)
  • 会議 2時間(朝会、職員会議、分掌部会、教科会)
  • その他 6時間30分
    • 掃除監督  1時間20分
    • 印刷と移動 2時間30分
    • 朝の立ち番 2時間30分

1日平均にすると、10時間54分、朝日の調査とそれほど違いは無いようです。上記には含めていませんが、授業の合間の休み時間が1日に65分、昼休みが45分あります。休み時間の多くは10分休めていません。チャイムtoチャイムで授業をしているので、2、3分前に教室に着いていて、2、3分余計に教室にいます。残りの時間は校舎が広いので移動したらおしまいです。昼休みは45分取られていますが、実質食事しているのは15分程度。他は授業の準備か印刷に取られ、のんびりしている暇は余りないかもしれません。担任をお持ちの先生は更に仕事が増えます。私は担任は持っていないのでその分は含まれていません。他に担当をお持ちで会議が多い先生もいらっしゃいます。部活も本腰入れて指導すると、毎日数時間単位になるでしょう。

項目だけ見ると仕事終わらせて帰れそうですが、実際は大分家に持ち帰ってきています。もう少し要領よくなれば家での作業は減るのでしょうが、明け方1-2時間間に合わない分の仕事をしていることが多いです。さて、これは忙しいといえるのか、まだまだ甘いのか。ただ1つ思うのは、自分の健康のためにもう少し工夫はしたいところです。