小林秀雄全作品から(11)「栗の樹」
小学校までは徒歩7,8分、中学校も15分はかからないところだった。毎日、毎日、毎日通っていたのももう随分昔のことで、あの道を歩いたことはずっとない。通学路の景色を思い出しながら、また歩いてみたい気持ちになった。
- 昭和29年(1954)11月、「朝日新聞」に発表
彼女は、毎日、人通りまれな一里余りの道を歩いて、小学校に通っていた。その中途に、栗の大木があって、そこまで来ると、あと半分といつも思った。
さて、私の栗の樹は何処にあるのか。
- 作者: 小林秀雄
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/06
- メディア: 単行本
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