「自分の思いを伝える」ために:山田ズーニーさんの2本のインタビュー記事を読んで

山田ズーニーさん次の2本のインタビュー記事を読みました。

普段の一対多の授業では、なかなか深いコミュニケーションに踏み込んでいくことができません。50分の授業では足りない、その部分を質問紙という試みで少しでもカバーしようとしています。毎時間の授業のなかで感じた疑問、質問、感想をB7くらいの小さな紙に書いて提出してもらい、次の時間に全ての質問にぼくの回答をつけて一枚のプリントにして返却するというものです。高校生が普段どんなことを感じて、考えて生活しているのか、学校に来ているのか、そんな授業から一歩離れた姿が見えてくることもあります。

ですが、基本的にはあたりさわりのあまりないさらさらしたコミュニケーションに終わることが多く、そこからもう一歩踏み出すための何かを見つけたいと、思っていました。そんな時出会ったものの一つが、山田ズーニーさんの文章でした。

今回は彼女の2本のインタビューを通じて肝になる箇所だと思った点をまとめました。著作を読んでいる人には自明のことかもしれませんが自分に対する確認の気持ちもこめて。

「自分の思いを伝える」ために

  1. 嘘をつかない
  2. メディア力をつける
  3. 居場所をつくる

2本のインタビューを自分なりにまとめたときに出てきたのがこの3つのキーワードでした。

嘘をつかない  実感の持てる本当のコトだけを話し、書く

  • 考える:自分の思いを掘って整理する
  • 表現:情報を再配列する技術

この組み合わさったものが相手に自分を届けるためのアウトプット。これらは技術であってトレーニングで伸ばすことが出来る。ちょっと不安だったり自信がないと、ちょっとごにょごにょとごまかしてしまいたくなるけれども、そんな自分もありのままに「嘘のない、実感の持てていることだけ」に限定することが大事。ちょっと違うかもしれないけれども、たとえほんの小さな嘘でも、つき通すためににはどんどん嘘を積み重ねていかなくてはいけなくなる。

メディア力をつける

「日ごろの自分の発信力影響力によって相手にどれだけの印象を残してきたか、信頼関係を築いてきたか。その集積」を彼女はメディア力と呼んでいる。一期一会の積み重ね。一回一回ゼロから真剣に向き合って作り上げてきた人間関係と言いかえてもいいと思う。そのメディア力をつけるために、こんなことを大事にしたら良いといっている。

    • 話しかけられたときの答え
    • 上司、仲間の発信へのリアクション
    • 発言を求められたら絶対逃げない

慣れると、惰性で流してしまいたくなる。授業のたびに、新しい教材のたびに、新しい学期、新しい年度のたびに。もっと新鮮な気持ちで関係を作り直していくつもりで。新しい何かを見つけられるように。

居場所をつくる

居場所をつくるとは、自分らしく生きるとは何かということを考えること。自分以外の他者と理解しあうことでしか居場所はできない。やりたいことは自分と他者の間にある。自分を人に、社会に対して開いていく。