埴谷雄高「神の白い顔」

そのとき、鏡の内部へはいりこんだような浮遊物も見当たらぬ透明な水中で平らな水面へ向かって垂直に仰向けになった私の視界いっぱいに映ったのは、思いがけぬことに、それまでまったく覚え知らなかった種類の光の均質なのであった。

高校生のための文章読本

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