今日の短編(32) レイモンド・カーヴァー「他人の身になってみること」

学生時代、友人の下宿に1週間も2週間も泊り込んでいたことを思い出した。帰省した友人宅に居ついて、新聞だったか水道料金だか、払ったこともあったなあ。皆で飲んで大騒ぎして、どこだかから持ってきた薬用ドリンクの大きな看板が玄関前に飾ってあった。あれ、どうしたんだろう。
JATPのレコードは聴いたことがないけれど、これ、そんなに稀少盤なのかしら。どちらかといえば深刻な話がどこか愛嬌を感じさせるものになっているのはこのエピソードが大きいと思う。

レイモンド・カーヴァー「他人の身になってみること」 (Put Yourself In My Shoes by Raymond Carver))

「それからもうひとつ」とモーガンは言った。「このことを持ち出すつもりはなかったんだが、今夜の君のおちゃらけた態度を見ていると黙っていられなくなった。私の『ジャズ・アット・ザ・フィルハーモニック』の二枚組LPがなくなっている。このレコードには深い思い出がある。私はそれを一九五五年に買ったんだ。さあ、あれをいったいどこへやったのか言ってもらおう」

頼むから静かにしてくれ〈2〉 (村上春樹翻訳ライブラリー)

頼むから静かにしてくれ〈2〉 (村上春樹翻訳ライブラリー)

所収。