即興詩人 森鷗外訳

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森鷗外が訳したアンデルセンの「即興詩人 上下巻」を偶然見つけて購入。画家の安野光雅さんがこの作品の森鷗外の文語体のすばらしさをあちこちで絶賛していて、以前から読んでみたいとずっと思っていた作品。岩波文庫のカタログ?にも載っておらず、古い岩波文庫がありそうな書店や、古本市などを見かけると必ず探していたのですが、ようやく出会えました。

羅馬に往きしことある人はピアツツア・バルベリイニを知りたるべし。こは貝殻持てるトリイトンの神の像に造り倣したる、美しき噴井ある、大いなる廣こうぢの名なり。貝殻よりは水湧き出でてその高さ数尺に及べり。羅馬に往きしことなき人もかの廣こうぢのさまをば銅版画にて見つることあらむ。

噛み応えのある硬質な文章です。がんばって読みたいと思います。